講演とセミナーの違い

講演会とセミナーの違いというのは区別がつかない方も多いと思いますが、講演とセミナーは明らかな違いがあります。
一つは聴講者の聴講態度です。セミナーは、自らの意思を持って参加する場合がほとんど、つまり聴講のモチベーションが高いと言えます。
一方、講演は聴講者のモチベーションにや参加意思には関係なく実施される場合が多く、講演とセミナーの大きな違いと言えます。

また、規模の違いもあります。セミナーが比較的小規模2、30人〜100名程度のセミナールームに入る程度の人数の場合が多いのに対し、講演の場合は100名前後から数千人規模までさまざまで、セミナーよりも大規模な場合が多いです。なお、近年はオンラインセミナーが主流になりつつあり、1000人規模のセミナーもしばしば開催されてはいますが、リアル開催の場合で1000人入る会場でのセミナーというのはあまり聞いたことがありません。ただ、少人数を相手にした講話の場合でも講演ということはあるので、講演＞セミナーという図式が成り立つのではないでしょうか。

さらに、内容についても違いがあります。上記の聴講態度にも繋がるものですが、講演は講師の思いや経験談などを聴講者が望むか否かに関わらず行われるものですが、セミナーはあらかじめその具体的内容や目的、聴講者にどのようなメリットがあるかを予め示した上で行われるのが通常です。つまり、講演は、聴講後に聴講者のためになったなど成果が保証されるものではなく、蓋を開いてみないとわからないという場合がほとんどです。ただ、講演を依頼する側は予め講師の経歴や講演タイトルを吟味して概ねこのような話が聞けるのではないかといった期待値で依頼をするケースが多いのですが、セミナーはかならずといっていいほど、参加した意義や成果が求められるという部分が大きな違いと言えます。

セミナーと研修の違い

セミナーと研修も意味合いの違いがわかりにくいものかも知れません。
セミナーがある程度の意義や成果を求められるといういのは前述のとおりですが、
研修はさらに一本踏み込んで、必ず成果が求められるという特徴があります。
そのため、研修の場合は講演やセミナーのように1回きりの場合もありますが、複数回で長期間に渡って行われる場合もあります。
また、講演やセミナー（特に講演）は単発のため、その時に聞き逃した聴講者に別日に全く同じ内容を再現して実施することが極めて難しいのですが、研修ははじめから多人数の対象者を数日に分けて同じ内容を聴講させるようなニーズがあるため、講師側も全く同じ内容のプログラムを繰り返し再現できるような訓練をおこなっているのが通常です。大手研修会社では、研修プログラムをどの講師が実施しても成果がかわらないように訓練を行なっています。
講演やセミナーと研修は似ていますが、領域としては全く別物と言えます。

講演とトークショーの違い

トークショーとは、登壇者が司会（MC）との掛け合いによって話を進行するスタイルのものです。
そもそも、講演（一人喋り）が得意な人とそうで無い人がいます。講演は90分というのが一番多いのですが、90分、聴講者に退屈されず、理路整然と中身のある内容を話すというのはかなり大変なことです。多くの有名な講師の方たちも、構成をしっかりと立てた上でお話をされるというのが通常です。
例えば、現役を引退したばかりのメダリストやプロスポーツ選手などに講演のオファーが集まりやすいのですが、多くの場合、まだ一人喋りには慣れておらず、講演ではなくトークショーであれば引き受けてもよいという話になります。それだけ講演は特殊なスキルが必要ということです。

一方、トークショーは、MCが登壇者に質問をしながら話を聞き出していくので、話す内容は基本的に講演と変わり無いのですが、登壇者の話の間に相槌や合いの手が入ったり、結局はMCとの会話を傍聴するような格好となる（見かけ上は登壇者はMCに向かって話している）ため、聴講者の注意力は講演よりは散漫となり、厳粛さを求められる式典やキックオフなどのクローズドイベントには向かない傾向があります。
誰でも参加できるイベントや集客イベントなどで実施されることが多いので、講演よりはカジュアルな雰囲気になるケースがほとんどです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。講演、セミナー、研修、トークショーの違いについてご理解いただけましたか。
ざっくりとですが、

・講演は厳格な催しが多く、トークショーはカジュアル
・講演は大規模が多く、セミナーは小規模が多い
・講演やセミナーはほとんどが単発だが、研修は複数回で長時間や長期間に渡るものが多い

といった違いがあります。
これから企画を立てられる方は是非参考にしていただければと思います。