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講演会講師の選び方|約20年のキャスティング経験から失敗しない7つのポイントを解説

講演会講師の選び方|約20年のキャスティング経験から失敗しない7つのポイントを解説

講演会を企画することになったとき、多くの主催者が最初に悩むのが「どんな講師を選べばいいのか?」ということではないでしょうか。

有名な人を呼べば盛り上がるのか。テーマに詳しい専門家を選ぶべきなのか。予算内でできるだけ知名度のある人を探すべきなのか。

講演会の講師選びに、「この人を選べば間違いない」という共通の正解はありません。

私は広告会社、テレビ番組制作会社を経て、2007年から講演業界で約20年にわたり、文化人、タレント、スポーツ選手、専門家など、さまざまな講師のキャスティングに携わってきました。

その経験から感じるのは、「良い講師」と「今回の講演会に合う講師」は、必ずしも同じではないということです。

大切なのは「誰が有名か」から考えるのではなく、「この講演会で何を達成したいのか」から逆算して講師を選ぶことです。

この記事では、実際の講師選定で私たちがどこを見ているのか、約20年のキャスティング経験をもとに7つのポイントに分けて解説します。

講演会講師の選び方|失敗しない7つのポイント

講師を選ぶ際に、特に重要なのは次の7つです。

1.「誰を呼びたいか」より「何を達成したいか」から考える
2.「講演」と「研修」の違いを意識する
3.有名人だから「この講演会に最適」とは限らない
4.講演内容だけでなく「話し方」も見る
5.聴講者との相性を考える
6.予算は講演料だけでなく交通費・消費税まで考える
7.候補を一人に絞りすぎない

それぞれ詳しく説明します。

1.「誰を呼びたいか」より「何を達成したいか」から考える

講師を探す前に、まず考えていただきたいのが、「今回の講演会で何を実現したいのか」ということです。

例えば同じ企業向けの講演でも、目的によって適した講師はまったく違います。

・社員に刺激や気づきを与えたい
・管理職にマネジメントを学んでもらいたい
・若い世代(Z世代やα世代)とのコミュニケーションの取り方を学ばせたい
・安全大会で事故防止への意識を高めたい
・周年行事なので参加者に楽しんでもらいたい
・著名人を呼んで集客したい

講師を探しているうちに「この人はテレビで見たことがある」「この人なら参加者が喜びそう」と、いつの間にか「誰を呼ぶか」そのものが目的になってしまうことがあります。

もちろん、周年行事や顧客向けイベントでは知名度そのものに大きな価値があります。しかし、社員教育や研修が目的なら考え方は変わります。

目的を決める → その目的を実現できる講師を探す。

この順番を意識するだけで、講師候補はかなり絞りやすくなります。

2.「講演」と「研修」では講師の選び方が違う

講師選びで意外と重要なのが、「講演」と「研修」を分けて考えることです。

例えば、オリンピックなどのメダリスト、プロ野球・サッカーなどの元選手、日本代表やプロスポーツチームの監督経験者、メディア出演の多い文化人、歌手、俳優、お笑いタレントなど。

こうした著名人講師の大きな魅力は、本人にしか語ることのできない経験談です。

世界の舞台でどのようなプレッシャーを乗り越えたのか。チームをどうまとめたのか。挫折からどう立ち直ったのか。本人が実際に経験した話には強い説得力があり、聴講者に感動や気づき、刺激を与える講演に向いています。

一方で、「参加者に具体的なスキルや考え方を身につけてもらう」ことを目的とした研修では、講師の選び方が変わります。

研修の場合、私たちはまず「研修が終わったとき、参加者にどうなっていてほしいのか」を主催者に確認します。そのうえで、知名度よりも、その目的に合った研修を得意としていて、その分野で実績や評価の高い講師を優先して提案します。

一般にはあまり知られていなくても、特定の研修分野で非常に高い評価を得ている講師はたくさんいます。

「著名人の経験から刺激を受けてもらう講演」と「具体的なスキルを身につけてもらう研修」では、講師の選び方そのものが違うのです。

3.有名人だから「この講演会に最適」とは限らない

有名人を講師として招くことには大きなメリットがあります。「テレビで見ていた人の話を直接聞ける」ということ自体が、参加者にとって特別な体験だからです。

集客を目的とする講演会や周年行事、顧客向けイベントなどでは、講師の知名度が参加者数や満足度につながることもあります。

ですから「有名人より専門家の方が良い」ということではありません。重要なのは、目的とのマッチングです。

知名度より目的との相性を優先して成功した例

例えば、人材育成を目的とした管理職研修では、一般的な知名度より実績を重視して講師をご提案することがあります。

その一人が中野美加氏です。中野氏は回転寿司チェーン「スシロー」で人材育成に携わり、離職率の改善や業績向上に貢献した経験を持つ、人材育成の専門家です。

一般的な知名度は著名タレントほど高くありませんが、人材育成や中間管理職研修では、サービス業だけでなく、製薬・医療、保険、労働組合などさまざまな業界で高い評価を得ています。実際に、ご紹介した講演・研修が評価され、翌年度も依頼いただいたケースがあります。

もう一つの例が、兵庫県内でスクールカウンセラーを務める中村経子氏です。小学校から高校まで複数の学校を担当し、日々、子どもたちの悩みやいじめ、ひきこもりなどの問題に接しながら、子どもの目線に立った解決に取り組んでいます。

全国のPTAや教育関係の講演会にご紹介していますが、多くの会場で高い評価をいただいています。

このように講師選びでは、「世間でどれだけ知られているか」だけでなく、「その聴講者に何を届けられる人なのか」を見ることが重要です。

4.講演内容だけでなく「話し方」も見る

これは長年講師をキャスティングしてきて、特にお伝えしたいことの一つです。

プロフィールや肩書きを見ただけでは、「講演が上手いかどうか」はなかなか分かりません。

私はできる限り講演会の現場に足を運び、実際に講師の話を聴くようにしています。数多くの講演を聴いてきて感じる「講演が上手い人」には、いくつかの共通点があります。

話に「淀み」がない

講演の上手い人は、「あー」「えー」といった間投詞がほとんどありません。次に何を話すのかが頭の中できちんと整理されているため、話がスムーズに進みます。

全体の構成がしっかりしている

単に面白いエピソードを並べるのではなく、「どこから始まり、何を伝え、最後に何を持ち帰ってもらうか」という講演全体の構成ができています。

聴講者を飽きさせない

一方的に話し続けるのではなく、適度にユーモアを交えて笑いを誘ったり、聴講者に質問を投げかけたり、手を挙げてもらったりします。

例えば安全大会では、「堅い話ではなく、眠くならない講師をお願いします」というご相談をいただくことがあります。その場合、専門知識だけでなく、話の分かりやすさやユーモア、参加型の要素なども重要な選定ポイントになります。

時間ぴったりに終わる

そして意外に重要なのが時間管理です。例えば90分の講演なら、その時間の中できちんと内容をまとめ、ほぼ予定通りに終了する。これも経験豊富な講師に多く見られる特徴です。

こうしたことはプロフィールを読んだだけでは分かりません。だからこそ私たちは、「実際にどんな話し方をする講師なのか」「どんな聴講者に向いているのか」まで考えてご提案するようにしています。

5.聴講者との相性を考える

同じテーマについて話せる講師でも、聴講者が違えば最適な人は変わります。

・新入社員
・若手社員
・管理職
・経営者
・建設業などの安全大会参加者
・PTA・保護者
・学生
・一般市民

例えば「コミュニケーション」というテーマ一つを取っても同じです。

管理職と若手社員のコミュニケーションなのか。営業担当者と顧客とのコミュニケーションなのか。親と子のコミュニケーションなのか。

対象者が変われば、適任となる講師も変わります。そのため、講師を選ぶ際には、「何を話せる人か」+「誰に対して話すのが得意な人か」の両方を見ることが重要です。

6.予算は講演料だけでなく「交通費・消費税」まで考える

約20年この仕事をしてきて、講師選びで非常によく起きるミスマッチが、「希望する講師と予算感が合っていない」というケースです。

典型的なのが「予算30万円くらいで、誰でも知っている有名人を呼びたい」というご相談です。

30万円でも、例えばテレビに頻繁に出演している気象予報士など、一般にも知られている講師を依頼できるケースはあります。ただし、主催者がイメージしている「有名人」が人気タレントや著名スポーツ選手などの場合、30万円では候補がかなり限定されます。

そして、講師選びの予算で忘れてはいけないのが、講演料以外にかかる費用です。

「予算100万円」と「講演料100万円」は違う

特に注意したいのが、消費税と交通費です。

例えば、主催者の予算上限が「税込100万円」だったとします。消費税率10%として考えると、税抜金額は約90.9万円です。つまり、税込予算100万円だからといって、税抜の講師料に100万円を使えるわけではありません。

さらに、講師の交通費などが必要になるケースもあります。地方開催では、この交通費が講師選びに大きく影響することがあります。

例えば北海道での講演に関東在住の講師を招けば航空運賃などがかかりますし、空港からさらに車で2時間という会場なら、移動に伴う費用や条件も考えなければなりません。

したがって、「講師料30万円」なのか、「交通費・消費税などを含めて総額30万円」なのかによって、提案できる講師は変わってきます。講演料・交通費等の課税対象費用を含めた総額で考えることが大事です。

予算を講師紹介会社に伝えることをためらう必要はありません。むしろ「税込か税別か」「交通費を含むのか」まで最初に伝えることが、予算内で最適な講師を探す近道です。

講演料の目安については、講演料の相場はいくら?2026年版|講師・有名人・スポーツ選手の料金目安もご覧ください。

7.候補を一人に絞りすぎない

講師を探すとき、「この人しか考えていません」という状態からスタートすると、意外と時間がかかることがあります。

講師本人のスケジュールが合わないこともありますし、希望するテーマでは講演を受けていない場合もあります。また、開催場所への交通費も含めた予算などの条件が合わないケースもあります。

そのため、第一候補+複数の候補という考え方をおすすめします。

例えば「第一候補はAさん。ただし、同じテーマで話せるBさん、Cさんも検討する」という形です。

講師紹介会社に相談する場合も「○○さんのような人を探しています」と伝えるだけでも構いません。その講師が難しい場合でも、なぜその人を希望しているのかが分かれば、似た条件の別の講師を提案することができます。

主催者が最初に思い浮かべた人以外の選択肢を提示できることも、講師紹介会社を利用するメリットの一つです。

講師名が決まっていなくても「5つ」が分かれば相談できる

講師紹介会社への問い合わせというと、「依頼したい講師を決めてから問い合わせなければならない」と思われる方もいるかもしれません。

その必要はありません。むしろ「誰を呼べばいいか分からない」という段階で相談していただいても構いません。

最低限、次の5つが分かれば、講師候補を考えることができます。

① 目的・希望テーマ
② 対象者
③ 予算
④ 日時
⑤ 開催地

特に「開催日」だけでなく、時間帯も重要です。同じ日でも「午前中なら可能」「夕方なら可能」という講師もいます。開催地も講師のスケジュールや交通費に関係します。

この5つに加えて、参加人数、会場、過去に依頼した講師、主催者が具体的にイメージしている講師などを伺いながら、候補を絞っていきます。

講演会の担当者は「講師選びのプロ」でなくていい

私たちが日々ご相談を受けていると、講演会の担当者の多くは、講演会の企画や講師選びを専門にしている方ではありません。

総務、人事、安全衛生、労働組合など、それぞれ本来の仕事を持ちながら「今年はあなたが講演会の担当です」と任され、通常業務の合間に準備を進めているケースがほとんどです。

「何から始めればいいのか分からない」「講師を一人ずつ調べている時間がない」「通常業務だけでも忙しい」という方もいらっしゃるでしょう。

だからこそ、最初から講師について詳しい必要はありません。

「誰を呼べばいいか分からない」「この予算で誰が呼べるのか分からない」「こんな内容で話せる人がいるのか分からない」という段階でも構いません。

①目的・希望テーマ ②対象者 ③予算 ④日時 ⑤開催地の5つを教えていただければ、そこから講師候補を考えることができます。

「講師を呼ぶ」と「講師を迎える」は少し違う

講師が決まった後は、講演内容や当日の進行などについて確認していきます。

ここで、数多くの講演会の現場を見てきた立場から、主催者の皆様に一つお伝えしたいことがあります。それは、「講師を呼ぶ」ということと「講師を迎える」ということは少し違うということです。

講演料を支払って依頼する以上、講師は仕事として会場に来ます。しかし、良い講演会ほど主催者側にも「今日は私たちのために来ていただいた」という気持ちが感じられます。

これは豪華な控室を用意したり、特別な接待をしたりするという意味ではありません。

・事前の質問をできるだけまとめて伝える
・打ち合わせも必要な内容を整理して行う
・サインや記念撮影などの希望は事前に確認する
・当日はスムーズに出迎える
・控室では講師が余計な気を使わず、講演に集中できるようにする
・登壇・退場を含め、会の進行を事前に確認しておく

こうしたちょっとした配慮です。

逆に講師側が負担に感じやすいのは、打ち合わせを何度も求められたり、質問がその都度バラバラに届いたりするケースです。

また、事前の相談がないまま、当日になって突然サインや記念撮影を求められるケースもあります。講師によっては所属事務所との契約や権利上の理由などから対応できない場合もあるため、希望があれば事前に確認しておくことをおすすめします。

講師も人です。「お金を払って呼んでいるのだから」ではなく、「今日は来ていただいた」という気持ちで迎える。

その姿勢は講師にも伝わりますし、講師が気持ちよく登壇できる環境をつくることにもつながります。講師選びだけでなく、講師が力を発揮しやすい環境を整えることも、良い講演会をつくる大切な要素だと私は考えています。

講師は何ヶ月前から探せばいい?

講師選びでは、内容だけでなくタイミングも重要です。

「講師の窓口」で過去に取り扱った講演案件を分析したところ、問い合わせから講演実施までの中央値は133日(約4.4ヶ月)でした。

また、問い合わせから講師決定までの中央値は32日となっています。

そのため、目安としては開催日の3~6ヶ月前から講師探しを始めることをおすすめしています。

もちろん、1~2ヶ月前でも依頼できる講師はいます。ただし、人気講師や著名人を希望する場合は、早めに相談した方が選択肢を確保しやすくなります。

詳しくは、公開済みの「講師選びは何ヶ月前から?講演会の準備期間と依頼のタイミングを解説」もご覧ください。

よくある質問

Q.講演会では有名人を選んだ方が盛り上がりますか?

有名人には集客力があり、「テレビなどで見ている人の話を直接聞ける」という特別感があります。そのため、周年行事や顧客向けイベントなどでは大きなメリットがあります。一方、社員研修など具体的な学びやスキル習得を重視する場合は、知名度よりも研修実績や目的との適合性を優先した方がよい場合があります。


Q.講演が上手い講師はどうやって見分けますか?

講演実績や動画なども参考になりますが、知名度やプロフィールだけで判断するのは難しい部分があります。私たちは、話の構成、分かりやすさ、ユーモア、聴講者とのコミュニケーション、時間管理なども重視しています。可能な限り実際の講演を聴き、その講師がどんな聴講者に向いているかを見るようにしています。


Q.講師が決まっていなくても相談できますか?

はい。問題ありません。①目的・希望テーマ ②対象者 ③予算 ④日時 ⑤開催地の5つが分かれば、条件に合った講師候補を考えることができます。


Q.予算30万円以下でも有名人を呼べますか?

不可能ではありませんが、「有名人」をどの程度の知名度と考えるかによって変わってきます。テレビ出演のある文化人や気象予報士などが候補になるケースもありますが、人気タレントや著名スポーツ選手などを希望する場合は難しいことがあります。また、講演料だけでなく消費税や交通費を含めた総予算も考える必要があります。


Q.講師は何ヶ月前から探せばいいですか?

目安としては3~6ヶ月前をおすすめしています。当社が過去に取り扱った講演案件では、問い合わせから講演実施までの中央値は133日(約4.4ヶ月)でした。1~2ヶ月前でも依頼できるケースはありますが、人気講師ほど早めの相談をおすすめします。
詳しくはこちらのコラムをご覧ください講師選びは何ヶ月前から?講演会の準備期間と依頼のタイミングを解説。

まとめ|「良い講師」ではなく「今回の講演会に合う講師」を選ぶ

講演会の講師選びで大切なのは、単純に「一番有名な人」や「一番安い人」を探すことではありません。

・「誰を呼びたいか」より「何を達成したいか」から考える
・「講演」と「研修」の違いを意識する
・有名人だから「この講演会に最適」とは限らない
・講演内容だけでなく「話し方」も見る
・聴講者との相性を考える
・講演料だけでなく交通費・消費税まで考える
・候補を一人に絞りすぎない

約20年講師のキャスティングに携わってきて感じるのは、「良い講師」と「今回の講演会に合う講師」は必ずしも同じではないということです。

そして、講演会の担当者自身が講師について詳しくなる必要もありません。

「誰に頼めばいいか分からない」「この予算ならどんな講師を呼べる?」「○○さんのような講師を探している」という段階からでもご相談いただけます。

講師の窓口では、講演会の目的や希望テーマ、対象者、予算、日時、開催地などを伺ったうえで、条件に合った講師をご提案しています。講演会の企画段階でも、お気軽にお問い合わせください。

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